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レコードスタビライザーとターンテーブルーシートの話 中川 伸

 レコードスタビライザーを最初に発売したのはPATENT PENDという表記があるのでTEICでしょう(1967年にTEACに吸収される)。私が最初に買った物は1972年頃にdig corporationというところから発売されたものでした。以来、スタビライザーは常用するようになり、いろんな素材、例えばアルミ、真鍮、ステンレス、セラミック、クローム銅、亜鉛合金、流体入り、ゴム、プラスティックなど多数の物を聴いたので、市販されたものの80%位は試していると思います。

 写真の説明 左上:dig corporation、右上:私が作ったステンレス、右中:ノリタケクリスタル、左下:ゴムのクランパー、右下:プラスティックとゴムのクランパー、左:ビクターのガラスシート、右:高透過ガラスシート

 私の好みはノリタケが作ったクリスタルガラス製のスタビライザーでタイプAとタイプBを持っていましたが、何故か私はタイプAの方を使い続けています。何個かを持っていたのですが、誰かに貸すと、すぐに売って欲しいに変わり、ついに1個だけになってしまいました。ノリタケは早々と販売終了しましたが、後に同様の物がhonuoneというところから発売され、私と同じ感性の人が居ることを痛く感激したものでした。しかし、それもやがて販売終了となってしまいました。
 最近LEGGIEROが売れ、お客様からの問い合わせも色々あり、このスタビライザーは薦めたくても無くなってしまったので、それならばFIDELIXで作ってみようということになり、写真のような綺麗なものが出来ました。クリスタルガラス製は、とにかく高域がよく伸びるにもかかわらず、ひずみ感が減るので、多彩な音色が出てきて、ついつい嬉しくなってしまいます。でも、これは私が独自に考えたものではなく、経験上から最も好ましかったものをそのまま作った、いわばカバー曲ならぬカバーアクセサリーです。

 写真の説明 左上:ノリタケクリスタル、右上:honuone、中央:フルトベングラーのCD、左下:フルトベングラーの像のスタビライザ−、右下:FIDELIX製クリスタルスタブライザー

 ところが、出来上がってから分かったことですが、フルトヴェングラーやクナッツバーブシュやシューリヒトのLPが発売予定で、それらには全く同形のクリスタルガラスで作ったスタビライザーがおまけとして付くとの事です。この2度目の偶然にも痛く感激した次第です。クリスタルスタビライザーは35年近く経って再認識されたアクセサリーと言えるでしょう。スタビライザーは重過ぎても大きすぎても音を押さえ込んでしまい軽快な自由さを損ないがちです。ちなみに今回のFIDELIX製は440グラムとなっております。

 写真の説明 左:ジェルトーンのクリスタルシート、中央:ジェルトーンの樹脂コーティングを剥がしたもの、右:ソーダーガラスで作ったもの、中央スタビライザー:ノリタケクリスタル

 ではターンテーブルシートについていえば、ある時期に江川三郎氏が作ったSE-22というのが私にとってのこだわりシートの最初でした。まもなくビクターからのガラス製に替わり、ノリタケやオーディオテクニカのセラミックシートを経て、ジェルトーンのクリスタルガラスシートになりました。シートについても写真の様に沢山の種類を試し、これ以外にもジュラルミン、皮、コルク、フェルトなど色々試しました。今ではジェルトーンの樹脂コーティングをはがしたものに落ち着いています。

 写真の説明 下から、クローム銅、テクニカの吸着、テクニカのテクニハード、亜鉛合金、大理石、アイワ製、ノリタケのセラミックシート、ケンウッドのセラミックシート

 しかし、これも無くなってしまっているので、シートもクリスタルガラス製で作ろうとしたのですが、今、このサイズの物を作るとなると、とてつもなく高価になってしまいます。でも普通のソータガラスでは安価であってもいくらか高域にガラスっぽい響きが付け加わるので気が進みません。
 そこで、高透過ガラスなるもので試作してみたら、これが期待していた以上に好ましいのです。ソーダガラスとクリスタルガラスはパッと聴いてもすぐに違いが分かりますが、高透過ガラスとクリスタルガラスはよく似ているので、すぐには分かりません。繰り返し聴き較べると、クリスタルガラスよりも微妙に高透過ガラスの方が重心が低く、私にとっては時として好ましいという意外な結果でした。何とクリスタルガラスの3分の1以下の価格です。ガラスっぽい響きが抑えられると、楽器本来の音色が聴こえ始め、同時に低音が深々と伸びたかのように聴こえます。
 私は良いとさえ思えば、どんな材料からでも自由に作れる立場にありますが、経験からして曲がる材料よりも割れる材料の方が好きなことが多く、スタビライザーもシートも高価過ぎないガラス製に私は落ち着いたという訳です。こういったハードシートの上ではレコードクリーナーを絶対に使わない注意が必要です。でないとレコードに傷をつけてしまいます。

 写真の説明 左:ケースに入ったFIDELIX製クリスタルスタビライザー、右:密着ヘッドシェル:世界初の密着ヘッドシェル

 スタビライザーは15000円(好評発売中)でシートは20000円(7月中旬発売予定)でいずれも税別、送料別(一律600円)です。ついでながらアナログ関連ではトーンアームに密着合体する世界初のヘッドシェルMITCHAKU(税別12000円でPAT.PEND.)も心臓部分の構造が精度良く量産できるようになったので、ようやく発売に至りました。このヘッドシェルこそ抜群のコストパフォーマンスだと自負しております。音質で苦労したのは指掛けです。金属板は共振音が乗りやすいことは知っていましたので、樹脂製にて研究しましたが、鈍くなって駄目でした。結局のところステンレス棒に落ち着きました。
この心臓部分である口金部のみでも3個セットで税別15000円にて販売可能です。口金部の直径はΦ11.5なので割と多く見かけるヘッドシェルと互換性があります。
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