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4kHz-120kHz 150kHz(±10dB)まで再生可能なツイーターFRT-120K(愛称 Pamina)を作りました。

中川 伸

そもそもツイーターを作った経緯ですが、フィデリックスではアコースティックハーモネーターシステムAH-120Kを作っていました。型番からもお分かりの通り120kHzまでの音響出力が可能です。ところがそのツイーターが作れなくなり、やむなく販売を中断しておりました。ところが、これは必要な人にはどうしても必要な製品なので、再生産の要望は何件もありました。

それで、何とか対応可能なツイーターを作ってみようと研究を始め、それが実現したので再発売となりました。ところがこのツイーターは普通にスーパーツイーターとしても、とても優秀です。まずはその特性ですが、フィデリックスの広帯域化技術が幾つか投入されて出来上がりました。

こういった技術の確認には、優れた性能のマイクロフォンが必須でB & K社の4135を使いました。これのカプセル前のグリッドを外した1番上のカーブが音場型(スピーカー測定用)で、20Hz-120kHzまでが±2デシベル以内という優れものです。赤いカーブは保護グリルを付けたカーブになり、一番下は音圧型(ヘッドフォン測定用)としてのカーブです。これをマイクアンプ2633と200V電源2804を通してアジレントのFFTアナライザー89410A(DC-10MHz)に入り、4kHzから200kHzまでを表示します。

測定信号はホワイトノイズで、500回のアベレージングをしての表示です。そのグラフでも示しますが、以下のテクニックスのリーフツイーターEAS-10TH1000やパイオニアのリボンツイーターPT-R7とは同等の広帯域特性です。入力電力は音圧を揃えるよう調整しているので能率が同じではありません。また保護用にコンデンサーを直列に入れています。

実は100kHzまでと表示されているツイーターもドーム型やホーン型やセラミック型やAMT方式などを色々測ってみて、音質はそれぞれですが、特性に関しては、薄くて縦長の振動板のものが、周波数特性は最も優秀です。振動板全面が同時に前後運動するので強度が不要なため、柔らかいフィルムや箔で構成されています。

スペック
形式      トランスレス型によるリボン型
周波数帯域   4kHz-120kHz 150kHz(±10dB)
入力電力    20W (ピーク) 10W(定格)
インピーダンス 6 ohm
能率      86dB
サイズ等    底134mm 天106mm 高94mm 奥70o 700g

使用パーツはPPSコンデンサー、リッツ線をニスで固めた空芯コイル、ポリエチレン被覆の無酸素銅線、非磁性ターミナルなどの高音質パーツを採用。
ツイーターは厳しい検査後にペアリング。 ボディーは重くて硬い木材から選び、楽器用にも使われるブビンガで、今となっては希少品なので、無くなり次第代替品に移行となります。

出来上がったツイーターを使って音楽を聴いていたら、あるイメージがふっと浮かびました。それは魔笛のパミーナのアリアです。なので愛称としてはPaminaにしました。ナタリーデッセイのCDはよく聴いていたので、リンクしておきましたのでよろしければ聴いてみてください。
価格は検査基準が厳しいか甘いかによって変わります。今のところペアで160,000円(税別)付近になりそうです。ご購入をお考えの方は販売店またはフィデリックスへのお問合せをお願い申し上げます。(2025年4月22日)

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