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クロックのジッターの測定方法その3(PCでここまでできる!) 中川 伸

 使用上の注意! ちゃんとした測定には相当な知識と技術と機材が必要です。ここで使ったサウンドカードは最上級のものです。サウンドカードにはピンからキリまであり、皆さんがお持ちのものは必ずしも十分ではないかも知れません。また、測定環境の設定にも多くのノウハウがあります。ですからご自分で計る分には一向に構わないのですが、それを発表するとなると、必ずしもベストなデータではないので製品を作ったメーカーに迷惑が掛からないよう十分なご注意をお願い致します。
 参考までにあるサイトからの引用でよいジッターの例そうではない例あるいはオーディオ雑誌1オーディオ雑誌2オーディオ雑誌3で各機種ごとのMeasurements のページに計測例が出てきます。

 PCでどこまでできるかを試してみました。細かく設定しますと、E-MU 0404 Second Editionでここまでできることが分かりました。つまり一般個人でもPCのスキルがあればほぼAudio Precision SYS-2722に迫るジッター測定ができることが分かりました。Audio Precision SYS-2722はこれまた設定次第でまだまだ見やすくできる筈です。

 下の写真はテスト信号を直接解析したもので、このようになれば理想です。

 まとめますと、先ずはzip形式のテスト信号をダウンロードします。これを解凍して音楽CDとして焼きます。stereophileで使っているものと同じと考えて構いません。次にWaveSpecrta1.40もダウンロードしてPCにインストールします。バージョンは1.40でないと十分な性能になりません。サウンドカードは24bit/48kHzのstereoで動くものが最低条件です。
 後は詳細な設定ですが、画面の縦軸はAutoと-160dBにし横軸は7000〜15000のリニアにします。私は一般の人が比較し易いよう11.025kHzのレベルが0dBになるAutoにしました。こうすることで47次や49次の高調波レベル(11.025kHzの両側)が-127dB付近に収まります。stereophileと同じにするにはAutoではなく絶対値の値を自分で考えて決めるようにしてください。FFTのサンプルデータ数は最大の131072に、窓関数はBlackman Harris 7Teamにします。フォーマットは24bit/48000kHzのStereoにします。論文にも書かれていますが、44100Hzや16bitでの解析はひどいデータになるので推奨いたしません。FFT画面の左下のAvgは100に設定したデータが上の画面になります。Mainをクリックすると、平均していない画面を消せます。
 やはり測定条件は、テストCDをパイオニアの25連奏のクロック交換したもので再生し、CAPRICEに光で入れました。CAPRICEのバランス出力の2番だけを使ったアンバランス信号をE-MU 0404 Second Edition(24/192kに対応)のサウンドカードに入れました。100回ほど平均するとノイズフロアが下がって見えるので229Hzの高調波がよりはっきりしました。それ以外のところにあるのは測定系が持つ何らかのスイッチングノイズです。この邪魔なものがSYS-2722にはありません。画面は-60dB〜-160dBの間を表示するようにトリミングしています。CAPRICEのクロックはスカートの広がりが極めて少なく、バックグラウンドノイズも-148dB程度と非常に少ないことが分かります。(2010年10月15日)

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