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オーディオ機器におけるプラグ極性の合わせ方 中川 伸

なぜプラグの極性を合わせる必要があるの?

 そもそもコンセントには触って感電するホット側(100V)と、触っても感電しないコールド側(0V)があります。オーディオ機器の電源コードをコンセントに差し込み、電源スイッチを入れると、その機器のアース(シャーシ)にはホットとコールドの間の電圧(例えば40V)が出てきます。原因は電源トランスにストレーキャパシタンスが有るからです。しかも、ホット側とアース側の間にあるストレーキャパシタンスと、コールド側とアース側の間にあるストレーキャパシタンスの値にアンバランスが有るため、差し込む向きによって出てくる電圧が異なります。出てくる電圧は機器同士を接続したときに、機器同士間を接続するケーブルのアース側を流れる迷走電流の原因となります。これがデリケートなオーディオ機器へ音質的に悪影響を与えます。したがって、当然ながら機器のアースに出てくる電圧は低くなる向きが良いのです。   余談ですが、一般的なトランス構造の場合、トランスコアへの巻き始めとなる1次巻き線の巻き始めがコールド側となる向きの時に、低い電圧となります。

極性の合わせ方

  準備するものはバッテリーで動作するディジタル表示のマルチメーターで、交流電圧(ACV)レンジで使用します。当然ながら直流電圧(DCV)レンジでは使えません。これは¥3,000ほどで売っていると思います。少々高くても電池を無駄にしないオートパワーオフの物を買いましょう。交流電源で動作するものは基本的には使えないと思ってください。また、メーター式のテスターも使えません。

  まずコンセントのホット側とコールド側をチェックしますが、自分の体を借りのアースに見立て、マルチメーターの黒い方のリードの先を手で摘みます。そして赤いリードの先をコンセントの一方に差し込み、電圧をチェックします。次にもう一方のコンセントに差し込み、電圧をチェックし、低い方がコールド側です。ちなみに正しく電気工事がなされている場合は向かって右側がホット側で幅が狭くなっている筈です。ただし、無神経な業者も案外多いので信用してはいけません。

ここで分かったコールド側は基準と成るので、以下はここに黒いリードを差込んだ状態で計ります。オーディオ機器1台ずつ電源を入れながら赤いリードをオーディオ機器のアース(シャーシ)に接続し、電圧の低くなる向きにプラグを合わせて行きます。このとき赤いリードやアース側には手や体が触れないように注意して下さい。さもないと正しい測定が出来ません。電圧に殆んど差の無い機器がありますが、この場合は無視するか、念のため耳で聞いてみて、音が良いと思う向きにマークを入れて行きましょう。コールド側に白いマークを入れるか、Wマークがあるメーカーが一般的ですが、取り扱い説明書でチェックしてください。

  参考までに書くと、電源スイッチを切った場合に、さらに電圧が低くなる機器は、電源スイッチがホット側に付いています。例えばホット側に電源スイッチが付いているCDプレーヤーの場合なら、LPを聴くときは使わないので電源を切っても問題はないのです。しかし、逆に電源スイッチを切った場合に、さらに電圧が高くなる機器は、電源スイッチがコールド側に付いています。このようなCDプレーヤーの場合なら、LPを聴く時、電源を入れっぱなしの方が良くなることが多いです。

  アース端子のある3ピンのものは3ピンから2ピンに変換するアダプタを使ってチェックします。2ピンの場合も3ピンの場合もオプションの電源ケーブルの場合も間違っているものがたまに有るので注意しましょう。正しく合わせた場合は、澄んで力のある音がします。

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